フーミンママのため息　２

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私には得意なものがない

もう50才近いおばちゃんなのに、
料理も裁縫も好きではない

私の母は、70才なのに、何でも出来るスーパーウーマンなのに、
私は小さな頃から鈍くさかった

母は洋裁、祖母は和裁の出来る人だったので、私と妹の服は、母の手作りが多かった

昔、トッポジージョというキャラクターがいて、多分私がおねだりして、母にお人形を作ってもらった記憶が微かに残っている

祖母は家で和裁をして、クリーニング店の取次もこなしていた

私は保育園に預けられ、母は外に勤めるようになった

その母は、60才の定年まで仕事を続けた

今は、妹がお勤めしているので、
母が父と共に留守を預かっている

私の母は、家でじっとしているような人ではない

近所の大きな仕出し屋さんで、掃除と片付けのバイトもしてる

家の畑も、父よりも熱心に精魂込めて野菜作りをする

出来た野菜は何軒もの親戚縁者にも分け与える

この時期には、大根、白菜で漬け物の仕込みをこなし、
私にはお手製の惣菜まで渡してくれる

家の玄関、リビングには、パッチワークの作品やカントリドールが溢れんばかりに飾ってある

知り合いが欲しいと言えば、すぐプレゼントしてしまう

何でも、出来る本当にスーパーウーマンなのだ
去年は、知り合いとスイス、ドイツまで旅行に行き、
今年はカナダに行きたいと目標を立てて、毎日頑張っているのだ



そんな母親を持つ、私は、何も特技がない

自慢するものもない

結婚が早かったので、仕事も長くお勤めしていなかった
何もかもが中途半端だ

人に好かれるほど、
人間が出来ているわけでもない

恋愛に関しても、
いつも片思いばかりだった

人付き合いも苦手で、子供三人いても、
お母さん同士のグループに入ることも、
近所の奥さん同士の付き合いも、
出来るだけ避けるような人間だ

今の住まいでも、そうだ

知り合いのお母さん以外、特に井戸端会議もすることもない


やっぱり私は、あかんたれやな


いつまで経っても、大人になれないおばちゃんなんやから  

昨日は、朝から夜までずっと働いた。
ママが留守なので、
とりあえず朝の10時から入って、
店の掃除、買い物、朝の準備をして、
11時から入るバイトの子が来るのを待っていた。
12時になるまえから、
家族連れのお客様が来て頂き、お持ち帰りや、
近所の出前をこなしながら、ランチの時間が過ぎていった。
最近、私は土日出勤してないので、
休日のランチタイムのリズムに馴れるのに、戸惑った。
嬉しいことに、餃子は好評で、作っても、すぐ無くなるから、
作りながら、焼いていくぐらいだった。
３時からの休憩も、家に戻らず、
知り合いの所でお茶をしつつ、話をして過ごした。
休憩の二時間があっという間だった。
夜は早い時間からの来店が多くて、七時前にピークを迎えた。
一度お客様はひいたが、また九時までに二度目の満席状態に。
忙しいというのは、本当に嬉しいことなのだ。
今日は、日曜日なので、ママである金ちゃんに逢いたいと言って、何人もの女性客が来られた。
私が留守番では、やっぱり駄目なんだなと実感してしまった。
とりあえずは、無事１日を終えた日曜日だった